2026/06/28 20:10
こんにちは。
Y. & SONS 神田のスタッフ、テイ コウです。
6月も半ばを迎え、東京も少しずつ夏らしい暑さになってきました。
街を歩いていると半袖姿の方も増え、店頭でもゆかたや夏きもののご相談をいただく機会が多くなっています。
今回ご紹介するのは、郡上下駄です。

私自身、日本に来るまでは下駄を履く機会がほとんどありませんでした。
郡上下駄も、Y. & SONSで働き始めてから初めて知った履物のひとつです。
最初は少し遠い存在のように感じていましたが、実際に履き、受注会で職人さんの手仕事を間近に見たことで、その印象は少しずつ変わっていきました。受注会では、お客様にお好みの木台と、Y. & SONSのゆかた生地を使用した鼻緒を選んでいただき、その組み合わせを職人さんがその場で一足ずつ仕上げていきます。
今回は、初めて下駄に触れた私だからこそ感じた、郡上下駄の魅力についてお話ししたいと思います。
下駄との出会い
私は中国・上海出身で、この春からY. & SONS神田で勤務しています。
初めて下駄を履いた時は、正直に言うと少し歩きづらく感じました。
鼻緒に足を入れる感覚にも慣れておらず、足のどこに力を入れて歩けばいいのか分からなかったことを覚えています。
「これで長い時間歩けるのかな」
それが、私の最初の印象でした。
でも、履き続けるうちに少しずつ感覚が変わっていきました。
最初は意識して歩いていたものが、だんだん自然になっていく。
鼻緒も足に馴染み、木台にも自分の足の形が少しずつ残っていく。
気が付けば、お店に立つ日の履物として、当たり前のように選ぶ一足になっていました。

郡上おどりと郡上下駄
郡上下駄は、岐阜県郡上市で作られている下駄です。
郡上市では、400年以上続く「郡上おどり」が知られています。
お盆の時期には夜通し踊り続ける「徹夜おどり」もあり、その踊りの足元を支えてきたのが郡上下駄です。
下駄が地面を打つ音も、郡上おどりの一部として親しまれてきました。


ただ、私が郡上下駄に惹かれたのは、歴史があるからだけではありません。
先日、神田にて郡上下駄の受注会を開催した際、職人の諸橋さんの作業を間近で見る機会がありました。
木台と鼻緒を選び、それを一足ずつ形にしていく。
言葉にすると簡単ですが、実際に見ていると、とても細かな仕事でした。
鼻緒をすげる時の力の入れ方や、最後の調整の仕方。
同じように見える作業の中にも、一足ずつ違う手の入り方があるように感じました。
ただ部品を組み合わせているのではなく、履く人の足元にちゃんと届くように整えていく。
その様子を見て、完成した下駄だけではなく、作られていく時間にも魅力があるのだと思いました。


受注会では、お客様が木台や鼻緒を選ぶ姿も印象に残っています。
同じ台でも、鼻緒が変わるだけで雰囲気が大きく変わります。

迷いながら、鏡を見ながら、時にはスタッフと相談しながら選ばれている姿を見ていると、下駄を選ぶ時間そのものが楽しみになっているように感じました。
私自身もその場に立ちながら、郡上下駄はただ履くためだけのものではなく、自分らしい一足を作る楽しさもある履物なのだと感じました。
実際に履いて感じたこと
私が普段履いているのは「蓮弁」です。履き始めた頃は、鼻緒が少し硬く感じることもありました。
でも、何度も履いているうちに少しずつ柔らかくなり、足に当たる感覚も変わっていきました。
最初は下駄に自分が合わせているような感覚でしたが、今は下駄の方も少しずつ自分に馴染んできているように感じます。

夏の店頭では、一日を通して立っている時間も長くなります。そういう日でも、足元に風が通るだけでかなり楽に感じます。
革靴やスニーカーとは違う涼しさがあり、蒸し暑い季節には特にその良さを感じます。
天然木材を使用しているため、木目も一足ごとに違います。また、蓮弁には蜜蝋ワックスが塗られており、履き込むことで艶や質感の変化も楽しんでいただけます。
それぞれの下駄を比べても、まったく同じものはありません。
履き続けることで、木台の色や質感が少しずつ変わり、その変化も、郡上下駄の魅力のひとつです。
きものにも洋服にも
下駄は、ゆかたや夏きものに合わせる履物の定番です。
足元に軽さが出ることで、夏らしい装いに自然とまとまります。

ただ、私は洋服にも自然に合わせられる履物だと感じています。
ワイドパンツやデニム、Tシャツのような普段の服装にも合わせて欲しいです。

私自身、きものの日だけでなく洋服の日にも履いています。
普段の服装にそのまま取り入れられるところも、私が郡上下駄をおすすめしたい理由です。
先日開催した郡上下駄受注会には、多くのお客様にご来店いただきました。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
現在、Y. & SONSより製作を依頼した「郡上下駄」たちをご覧いただけます。
実際に足を通していただくことで分かる履き心地があります。ぜひ一度試していただきたいです。
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